脆姫は過去に生きる
「生きてる」
「・・・え?」
その言葉に目を開けると鉄平は力強いまなざしで私を見ていた。

「生きてる。それだけは確かだ。」

いいや・・・それで十分だ・・・もうそれで充分・・・

「よかった・・・」
「だから気を強く持て。必ず助ける。私の元で、必ず生きろ。生きてくれる限り、守り続ける。」
私はもう一度目を閉じた。




まだずきずきと痛む胸。
でも、こんな中でも蘇る記憶・・・。
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