脆姫は過去に生きる
『姫様!今日はお散歩はおやめください。熱がおありなのに』
『いやよ。体力をつけないと、王にまた迷惑をかけるから』
『姫様!池を一周したらお戻りくださいよ!御影様がお供いたしますから』

遠くで富さんの声がする。
いつもの厳しい声。

御影さんの声も聞こえる。
『王に叱られます!我々が。紅姫に無理をさせるなときつく言いつけられているのに。本当に一周ですからね!』

その声に、気をとられていた思考が急に動き出す。

この場面・・・もしかして・・・

この世界に来た日の記憶・・・?
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