脆姫は過去に生きる
『脆姫が出歩いて危険では?また王にご迷惑をかけるおつもり?』

誰かほかの姫の声がする。

映像だけは浮かばず声しか聞こえない。

『ご自分が脆姫であることをお忘れなく。それからお足元にはお気をつけくださいね?』
不敵な笑みが浮かぶような声。
『鷹姫様、いくら鷹姫様とはいえ紅姫へのお言葉ご無礼にあたります。王に報告いたしますよ』
強気な富さんの声も聞こえる。


急に体に感覚を感じ、私は何かに押されバランスを崩した。

『きゃーっ』自分の声が聞こえたかと思えば、急に映像が見えた。
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