脆姫は過去に生きる
「もう少し眠るんだ。」
すぐに鉄王は私の様子に気づく。
「・・・ごめんなさい。すぐに眠くなって・・・」
「気分は?」
「・・・温かくて・・・心地いいです・・・」
恥ずかしくなりながら鉄王の胸に顔を埋める。
「窒息するぞ」と笑いながら鉄王は私を抱き寄せ、とんとんと背中をさすってくれた。

心地よいリズムに目を閉じる。

このお腹の中にいる子は、私と鉄王の子供・・・?

それとも咲さんと鉄王の・・・?


まだまだ思考が整理できたわけではない。
でも、今はこの命を、守りたい。
それだけは確かな感情だ。
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