脆姫は過去に生きる
鉄王は私が王宮に上がることを自ら姫たちを招集して告げた。
そして私が王宮へ移る手はずもすぐに整えて、2日後には私は王宮に用意された新しい部屋へと移った。

鉄王と二人で過ごす寝室を挟んで、隣が私の部屋。寝室の反対隣が鉄王の公務をする部屋だ。

この配置は鉄王が前から決めていたと御影さんが教えてくれた。

『以前から紅姫を妃として迎えるために王は用意されていたのですよ。いろいろと。ただ時期は未定でしたが。』
嬉しそうに話をする御影さんは、私が王宮に上がったことを心から喜んでくれた。
「紅姫は座っておいでください。今日は立っている時間が長すぎです。」
富さんはより過保護になり、私の食事も行動も厳しく管理している。

鉄王は私が王宮にうつる日まで毎日朝と夜に私の様子を見に来てくれていた。
それが王宮にうつったことによって・・・

「富の言う通りだ。少し座ったほうが良い。」
私は鉄王に手を引かれて自室から寝室に移される。
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