脆姫は過去に生きる
すぐに鉄王が私の方に視線を向ける。

「真っ青だ。富、すぐに妃を」
「はい」
私の様子に、厳しい表情を変えて鉄王が富さんを呼ぶ。

「立てるか?」
鷹姫との話を中断し、鉄王が私が立ち上がることを手伝う。
「申し訳ありません、中座させていただきます。」
私は鷹姫の方に頭を下げる。

「まだ話は終わっておりません。」
鷹姫が鉄王の方を見る。

私は鉄王の手をそっと離した。
「富さんと一緒に行きます。王はお残りください。」
その言葉に鉄王も話をとめられないと思ったらしく、頷き再び座った。
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