脆姫は過去に生きる
「でも・・・」
「ん?」
「咲さんへの・・・想いを・・・捨てないで・・・どうか・・・想いと共に・・・」
「忘れない。色あせない。咲の想いでは私が大切に胸にだき生きる。これからも生き続ける。私の中で。咲は生き続ける。」
鉄王は私の想いをくんで言葉にしてくれた。
「咲の思い出と共に、私は生きる。そして、こうして生きている咲菜を愛し、守り、ともに生きていく。私にとってはどちらも大切だ。」

私も同じだ。

鉄平も、鉄王も、大切・・・

「愛してる。咲菜。」
この日から鉄王は私のことを誰もいないときに咲菜と呼ぶようになった。
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