脆姫は過去に生きる
少しずつ体調が落ち着き、私は寝台から体を起こしている時間が増えた。

御影さんは私に妃としてのこともいろいろと教えてくれた。
鉄王が今は出産まで私に妃としての公務はさせないようにと家臣に伝えているけれど、出産をしたら私は公務もしたいと今からお願いしている。

「咲菜」
いつものように鉄王は公務を終えて、私が先に休んでいる寝台に来る。
「公務、お疲れさまでした。」
「咲菜も、お疲れ様。」
体調が落ち着くと少しずつ私のお腹も目立ってきた。
鉄王は眠る前に、最近はずっと私のお腹に触れている。

胎動も感じるようになった鉄王。
動くたびに嬉しそうに微笑む。その瞳はすでに父親の顔だ。

「どうだ?動いているか?」
今日も私のお腹に触れる鉄王。
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