脆姫は過去に生きる

離れたら消えてしまうかもしれない。

「今日は何しようか。」
「え？」
「えっ？って。せっかくの俺の休みだぞ？咲菜も退院ことだし、どっかでかけようかって話してたじゃん。」
鉄平との未来の話なんて、ずっと考えていなかった私にとって、鉄平の言葉がうれしすぎて・・・


「なんだよー泣き虫だな、今日は。出かけるのやめてのんびりしようか。」
「・・・」
こみ上げすぎて、涙が溢れて止まらなくなる。
言葉に詰まって何も言えない。

もしかしたら今までのことがすべて夢で、これが現実なのかもしれないと思う。

そうであってほしいとも思う・・・