脆姫は過去に生きる
「お腹の子も苦しいのだろう?息をちゃんとすわないと。」
ちゃんと知識を身に着けている鉄王。
その言葉に励まされる。

「痛い・・・」
「痛いな。でももう少しだ。きっと。」
共感までしてくれる。

「痛すぎ・・・」
力づくで手を握って力んでも、「もっと力を込めたって私は壊れん!握れ!」と頼もしい。


”王たる人が”と言われても私のそばから離れず、手を握り、腰をさすり、あおいでもくれる。

一人じゃない。

そう実感しながら私はただただ無事に産まれることだけを願った。
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