脆姫は過去に生きる
「咲菜」
痛みに呼吸することも苦しくて、汗が止まらず、ただただ痛みに耐えようとしている私に鉄王は言った。

「そなたに出会えたこの運命に私は感謝している。愛してる。」と・・・

運命・・・

この不思議な出来事に、理由を探そうとすることを私はもうやめた。
真実を探そうということをやめた。


過去を・・・探して・・・真実を求めることをやめた。


それは今私の手を必死に握り、励ましの言葉をかけ続ける、この人と出会えたからだ。
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