脆姫は過去に生きる
「大丈夫。・・・・お水をいただけますか?」
「わかりました」
富さんは慌てたように水を注ぎに部屋を出て行った。

鏡を見る。

髪が長いだけでほくろの位置も、目鼻のカタチも何も変わっていない私。

きている服が違っても、中身は同じだ。

鏡に映る自分を見つめたまま自分の頬に手を触れる。

本当に私だ。

触れたことをちゃんと感じる。

・・・もしも鉄平がまたいなくなってしまったら、私はまた一人で・・・
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