脆姫は過去に生きる
「咲っ!しっかりしろ。私をおいて逝くなっ!」

鉄平が私が触れている手に、自分の手を重ねる。

あったかい・・・


傷だらけの鉄平の最後の姿を思い出す・・・


触れてもつめたくて、声をかけても何も返ってこない。


でも今目の前にいる鉄平はあたたかくて、私に話しかけてくれる。




・・・私が味わったあの孤独と絶望を、鉄平にも味あわせてしまうの・・・?
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