脆姫は過去に生きる
更に数日が立つと、何とか吐き気が治まった。
体力は回復せず、眠気はいつもどこでも襲ってくる。
小さくなった胃袋が再び悲鳴を上げないように、少しずつ少しずつ食べものを口にするようにしていた。
「こんなに痩せてしまって、王が戻られたら叱られます。」
富さんが痛ましそうに私をみながら、長い髪をとかしてくれる。
「大丈夫。ちゃんとたくさん食べて早く元に戻すから。」
そう言って安心してもらおうとしても、富さんの表情ははれない。
「王の兵は戻らない?」
「えぇ。まだお戻りになりません。どうしたことか。こんなにも長い戦になるとは。戻られた時王もご無事ならいいのですが。」
富さんの言葉に私も不安になる。
御影さんの話でも、戦場の環境はかなり劣悪で、疫病がはやりほとんどの人が無くなることもあるらしい。いくら訓練を受けているとはいえ、鉄平もかなり体力を消耗しながら気の抜けない日々を送っているはずだ。
体力は回復せず、眠気はいつもどこでも襲ってくる。
小さくなった胃袋が再び悲鳴を上げないように、少しずつ少しずつ食べものを口にするようにしていた。
「こんなに痩せてしまって、王が戻られたら叱られます。」
富さんが痛ましそうに私をみながら、長い髪をとかしてくれる。
「大丈夫。ちゃんとたくさん食べて早く元に戻すから。」
そう言って安心してもらおうとしても、富さんの表情ははれない。
「王の兵は戻らない?」
「えぇ。まだお戻りになりません。どうしたことか。こんなにも長い戦になるとは。戻られた時王もご無事ならいいのですが。」
富さんの言葉に私も不安になる。
御影さんの話でも、戦場の環境はかなり劣悪で、疫病がはやりほとんどの人が無くなることもあるらしい。いくら訓練を受けているとはいえ、鉄平もかなり体力を消耗しながら気の抜けない日々を送っているはずだ。