脆姫は過去に生きる
「ほかの国と違って何も資源のない私の国は、隣国からも敬遠される枯れた土地です。何も益を生むものがなく、かといって誰からも欲しがられない土地。荒れ果てた土地を再び蘇らそうと国民は皆昼夜を問わずに努力をしていることを知っています。なのに、私には国民と共に汗を流すことは許されない。」
菊姫の声は少し震えている。
「飾りだけの姫は私の方ね。今、王は必死に私の国の土地で始まってしまった別の国の戦をどうにか鎮めようとしているわ。きっと枯れ果てている国の土地が絶好の戦場になってしまったのね。」
御影さんから話は聞いていた。でも、場所が菊姫の国だということしか聞いていなかった私は戦いの真相を知らなかった。
「民たちが一生懸命育てた土地がまた死んでしまう前にと、王は自らおさめに向かってくださった。」
菊姫は少しの間何も言葉にしなかった。
その背中が少し震えている。
「私には何もできない。だからせめて命をささげて、王のためにできることを、国のためにできることを精一杯やりたいの。」
しばらくして振り向いた菊姫の頬には涙が伝ったあとがあった。
菊姫の声は少し震えている。
「飾りだけの姫は私の方ね。今、王は必死に私の国の土地で始まってしまった別の国の戦をどうにか鎮めようとしているわ。きっと枯れ果てている国の土地が絶好の戦場になってしまったのね。」
御影さんから話は聞いていた。でも、場所が菊姫の国だということしか聞いていなかった私は戦いの真相を知らなかった。
「民たちが一生懸命育てた土地がまた死んでしまう前にと、王は自らおさめに向かってくださった。」
菊姫は少しの間何も言葉にしなかった。
その背中が少し震えている。
「私には何もできない。だからせめて命をささげて、王のためにできることを、国のためにできることを精一杯やりたいの。」
しばらくして振り向いた菊姫の頬には涙が伝ったあとがあった。