脆姫は過去に生きる
この世界で鉄平が背負うものの大きさに、私は迷い始めていた。

その迷いを言葉にできるほどまだ心の整理がついてはいないけれど、私は迷い始めている。



一緒にいるだけが愛じゃない。

いつの日か鉄平が私に言ってくれた言葉を思いだす。

これは私が病院に入院することを嫌がった時に、言ってくれた言葉だ。
離れたくないと幼い子供のように泣く私をなだめながら、鉄平は言った。

離れていても、距離に負けない想いが繋がってると。
心はそばにあると。


意味は違っても、何度も思いだしてしまうその言葉。
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