余りもの王女は獣人の国で溺愛される
広間に着いて、各々の席に座るとギャレリア王国の使節団も案内されてきた。
そこには出迎えの時にも思ったけれど、とてつもない美貌の金髪にアイスブルーの瞳のリヒャルト様に黒髪に緑の目のルーアンさんに体格の良い護衛騎士が入ってくる。
三者三様なのだが、タイプの違う整った美形が揃うと迫力が増している。
その中でも群を抜いてリヒャルト様がキラキラとして眩しいのだ。
私の兄たちもタイプの違う美形で揃っているのだが、兄弟以上にキラキラしい。
普段の国内の夜会で集まる貴族たちの中でも、ここまでの美形はいない。
ギャレリアは美形さんが多いのだろうか、ついついそんなことを考えてしまうが、表情には笑みを浮かべていたので私の考えがバレることはないだろう。
「この度は歓迎の宴までご用意いただき、感謝申し上げる」
リヒャルト様が父に頭を下げて述べられた。
それに父も、こちらこそ隣とはいえ遠いところをはるばるお越しくださり感謝すると返して、無事に席に着いてもらう。
「では、この度のマテリカとギャレリアの国交の樹立を祝して、乾杯!」
「乾杯!」
それぞれ、我が国自慢のワインを注がれたグラスを手に乾杯をして食事が始まる。
まずは父たち、男性陣で花が咲いておりその間に私たちも食事を済ませる。
そうして少し話も落ち着いたころに、リヒャルト様がこちらに向かてきた。
「到着時は、お出迎え頂きありがとうございました。 第三王女のマジェリカ様ですよね?」
美貌のリヒャルト様は、声まで綺麗で耳に心地よい。
私は席を立ち、リヒャルト様にカーテシーで挨拶を返した。
「お初にお目にかかります。マテリカ王国第二側妃が長女、第三王女マジェリカでございます」
顔を上げると、その美貌を余すところなく発揮した笑みを浮かべて私の手を取り、リヒャルト様は言った。
「あぁ、私の愛しい番はここに居たのですね。 一目で気づきました。あなたは私の大切な番です。どうか、私と共にギャレリアにお越しいただきたい。あなたを愛しています。結婚してください」
ポカンと口を開かなかった私を、誰か褒めてほしい。
それぐらい、衝撃を受けたいきなりの求婚だった。