余りもの王女は獣人の国で溺愛される
第一章
ギャレリア王国の使節団は、少数でやってきた。
かの国は獣人の住まう国で、その王族は竜人。
使節団の外交トップは、先触れによると現在の国王の弟。
王弟様だというのだ。
つまり、竜人がこの国にやってくるのだ。
訪問のための先触れにも、王宮の前庭に開けた場所を用意してほしいとの願いを受け入れ、場所の案内もしていた。
今日その広くとった前庭に、大きな竜が二体とその背に一人の人が乗ってやってきたのだった。
竜の背から一人のガタイの良い騎士服の男性が降りると、二体の竜も人型に変わった。
一人は黒髪に深いグリーンの瞳にモノクルを付けていて、落ち着いた雰囲気の知的なタイプに見える男性。
もう一人は、金の髪に湖のような深い青の瞳の整った顔立ちの好青年。
男性なのに、綺麗ですねと言いたくなる美貌の持ち主だった。
庭で待機していたのは王族では王太子であるアルジーノお兄様とアルバスお兄様に私の三人。
そして宰相と宰相補佐官などの事務官数名だった。
「ようこそお越しくださいました。マテリカ王国、第一王子アルジーノと申します」
アルジーノお兄様が先に挨拶をすると、一番の美貌のある金髪の男性が返事をする。
「お初にお目にかかる。ギャレリア王国の外交官のリヒャルトだ。黒髪の方が外交補佐官のルーアン。茶髪の方が護衛のエーレインだ」
紹介に合わせて、二人がそれぞれ頭を下げた。
アルジーノお兄様がアルバスお兄様と私を呼んだので、そばに控える。
「こちらが、王太子である私の補佐をしている第二王子のアルバス。そして妹で第三王女のマジェリカ。そして我が国の宰相、ディムロスだ」
その時、向こうで息をのむようなかすかな音がした。
私が顔を上げた時、リヒャルト様と視線が合う。
すると、今まで表情に喜怒哀楽の無かったリヒャルト様が私に向かって微笑んだ。
それはマテリカ国側にもギャレリアの補佐官と護衛の二人にも衝撃だったようで、一瞬にして場が静かになった。
かの国は獣人の住まう国で、その王族は竜人。
使節団の外交トップは、先触れによると現在の国王の弟。
王弟様だというのだ。
つまり、竜人がこの国にやってくるのだ。
訪問のための先触れにも、王宮の前庭に開けた場所を用意してほしいとの願いを受け入れ、場所の案内もしていた。
今日その広くとった前庭に、大きな竜が二体とその背に一人の人が乗ってやってきたのだった。
竜の背から一人のガタイの良い騎士服の男性が降りると、二体の竜も人型に変わった。
一人は黒髪に深いグリーンの瞳にモノクルを付けていて、落ち着いた雰囲気の知的なタイプに見える男性。
もう一人は、金の髪に湖のような深い青の瞳の整った顔立ちの好青年。
男性なのに、綺麗ですねと言いたくなる美貌の持ち主だった。
庭で待機していたのは王族では王太子であるアルジーノお兄様とアルバスお兄様に私の三人。
そして宰相と宰相補佐官などの事務官数名だった。
「ようこそお越しくださいました。マテリカ王国、第一王子アルジーノと申します」
アルジーノお兄様が先に挨拶をすると、一番の美貌のある金髪の男性が返事をする。
「お初にお目にかかる。ギャレリア王国の外交官のリヒャルトだ。黒髪の方が外交補佐官のルーアン。茶髪の方が護衛のエーレインだ」
紹介に合わせて、二人がそれぞれ頭を下げた。
アルジーノお兄様がアルバスお兄様と私を呼んだので、そばに控える。
「こちらが、王太子である私の補佐をしている第二王子のアルバス。そして妹で第三王女のマジェリカ。そして我が国の宰相、ディムロスだ」
その時、向こうで息をのむようなかすかな音がした。
私が顔を上げた時、リヒャルト様と視線が合う。
すると、今まで表情に喜怒哀楽の無かったリヒャルト様が私に向かって微笑んだ。
それはマテリカ国側にもギャレリアの補佐官と護衛の二人にも衝撃だったようで、一瞬にして場が静かになった。