君を守るのは僕の仕事


一目惚れしていた。


海智に会いたくて、
だけど学校で喋るのは恥ずかしくて…。







俺たちが小学3年生になる頃、
海智の母親が亡くなった。

交通事故だったと聞いている。



泣きじゃくる海智に何もしてやらないことが悔しかった。


「俺が…そばにいるから!」


そう言ったことは覚えてる。

あの日、海智を支えようと思ったのに、
親たちの再婚で兄妹になり、
馬鹿な俺は、海智をあきらめなきゃいけない、としか考えていなかった。



ただ一方通行の恋にもつかれた中学2年の春。


俺は、告白された女と適当に付き合って別れてを繰り返した。


その中に海智の親友の松谷もいたな…。



何人と付き合ったか、イマイチ覚えてない。

あの頃は、恋人になれないと悟ったと同時に、
海智に嫉妬してもらえないだろうかという思いが強かった。




そのせいで…

…あんなことに。







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