君を守るのは僕の仕事






「あきの裏切り者ー!!」



放課後、帰り道。


あのあと、あきは寝てたにも関わらずスラスラ正解の解答を読み上げて先生に褒められてた。



「海智が勉強してねーからだろ。」



ママチャリを押しながらあきが言う。



「裏切り者だぁー!あきの裏切り者ー!!」



「うるせー。」






悔しい。

先生に怒られたのは私だけ。

そりゃ寝てた私が悪いけどさ…!




「あきも寝てたくせに。」


「海智はイビキがうるさいからバレるんだって。」


「はぁ?!
イビキなんか…。」


イビキなんか、かいてない…とは言い切れない…。



「ヨダレも垂らして気持ち良さそうに寝てっからなー。」



「え?!うそ!」



「いや、ほんと(笑)」




くそう!

ケラケラ笑いやがって…!




「あきの意地悪!
大っ嫌いだ!」



言った途端、
あきは立ち止まった。


振り返るとじっと私を見ている。




「え、ごめん、うそ。」



「今日の晩飯海智が作れ。」



「ごめんて!ごめんなさい!冗談です!
許してーあきー」



「やだ。
早く空を迎えに行くぞ。」



あきが歩き出した。


そんなに怒らせること言った?





「意地悪って言ったの訂正するからー!
ねー!!待ってってー!!」






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