【短編】優等生の僕とヤンキー彼女
「お前…嘘つけないだろ?」
俺は振りはらわれた手をまた百合の頬に触れながら言った。
「完敗だよ…」
百合はそれだけを言った。
「ん?」
「ってか、何でお前ずっとコンビニ来てたんだよ?」
「何でって~…」
チラッと俺は百合を見る。
ちょっと上目遣いで俺を見るその視線に、
また俺の心臓は高鳴る。
「お前が好きだからかなぁ~!」
俺は百合の両肩に手を置きながらそう言った。
百合の目は見開いて驚きを隠せない表情をしている。
「何言ってんだよっ!」
「え?告白?ははっ」
「ははっ!じゃねぇーし!意味わかんねぇー」
ブツブツいいながら肩から手を外す。
「恋してるのは…コンビニの店員の百合だけどなぁ~♪」
俺はちょっと意地悪してみたくなり、
そう言うと、百合は頬をちょっと膨らませて、
「男はすぐ騙されんだよっ!」
百合は捨て台詞のように言い、後ろを向いてしまった。