【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚



「もう……。お母さんったら」

 まだわたし、付き合うなんて言ってないのに〜。てかわたし、高木原さんのことまだ好きじゃないのに……。

「ただいま〜」

「あ、おかえりなさい。秋一さん」

 部屋に戻りそんなことをずっと考えていたら、いつの間にかお父さんが帰ってきたようだ。

「お父さん、おかえりなさい」

「おお、美鈴!聞いたぞ? 高木原さんと交際することになったんだってな?」

「ええっ!? な、なんで!?」

 なんでそんなことになってんの!? もう!なんなのよ、ふたりして!

「おめでとう、美鈴。よかったな?いい人と出会えて」

 お父さんはそう言ってニコッと笑っていた。そしてわたしの頭を撫でた。

「なっ……。ちょっと待って、お父さん!わたしまだ!交際するなんて言ってなっ……」

「まぁまぁ。これからゆっくり愛を育んでいけばいいじゃないか。何も焦ることはないさ」

「ちょっと、お父さん……!」

 なんでお父さんまでそんなこと言うの……!もうっ!

「美鈴、お父さんはお前の幸せを願ってるぞ?」
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