【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚
「ただいま〜。美鈴?いるの?」
「おかえりお母さん! ちょっと聞いて……!」
お母さんが帰ってくるのを待っていたわたし。そしてお母さんの腕を引張ってリビングまで歩いた。
「で?どうしたの?」
お母さんはキッチンに向かい手を洗いながらそう問いかけてきた。
「あのね、お母さん……。さっき、高木原さんが家に来たの」
「高木原さんが?家に?」
「うん。……それでね、結婚前提に交際してくれませんか?って告白された」
お母さんが買い物から帰ってきたタイミングで、わたしはさっきのことを話した。
「あら、よかったじゃない!結婚前提ってことは、そのくらい美鈴に本気ってことでしょ?」
するとお母さんは、冷蔵庫に買い物した食材を仕舞いながら言った。
「いや、でもまだ数えるくらいしか会ってないのに、それでもう結婚って言われても……。あんまり実感がないっていうか……。その、早くない?かなって思って」
「そんなことないわよ。お母さんなんて、お父さんとは交際もせずに結婚したんだから」
と、お母さんは冗談交じりに言った。