【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚



「いや、まぁ、そうだけどさ……」

 お父さんとお母さんはそうだとしても、わたしはそうはしたくないっていうか……。

「大丈夫よ。彼はとてもいい人よ。優しくて思いやりがあって、すごく仕事も出来る人よ? きっと高木原さんなら、あなたを幸せにしてくれるはずよ?」

「……そう、かな?」

 そんな風に思ったとしても、本当にそうかは分からないしな……。

「そうよ。お父さんも言ってたでしょ?これからゆっくり愛を育んでいけばいいって」 

「だけどさ……。わたしまだ、結婚なんてする気ないし」

 結婚する気もないのに交際するなんて、相手にも失礼だと思うし、それにわたし……。数回しか会ったことない人と交際する自信もない。

「美鈴、いいこと教えてあげる」

「いいこと?」

 なんだろ?いいことって……?

「幸せは、見つけるものじゃなくて、自分で探すものよ。自分から探しに行くことが、幸せへの一番の近道よ?」

「……自分から、探しに?」

「そう。そうすれば、きっと道は開けるわ」

 そう言ったお母さんは、優しく微笑んでいた。
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