【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚



「ありがとう、美鈴。お母さん、助かるわ」

「……勘違いしないでよね。仕方なく、行くんだから」

「はいはい」

 だけど本当にお母さんは、いいお母さんだ。わたしや兄のために毎日高校の時も二人分のお弁当を作ってくれていた。朝は早く起きて、朝ごはんも同時に作っていたし。

 そんなお母さんに、お父さんは本当にゾッコンみたいで、毎日愛してると伝えている。お母さんは照れているけど、お父さんから愛してると言われるとやっぱり嬉しいみたいだ。

 この歳になっても、お母さんもお父さんもお互いのことを愛してるみたいだ。羨ましい気持ちもあるし、ちょっとめんどくさい気もする。

 話によると、お母さんは元々、お父さんの専属の秘書をしていたようだ。そこにお父さんが、お母さんに突然結婚しようと言い出したのが始まりだそうだけど……。お母さんは考えて、お父さんと結婚することを決めたそうだ。

 今思うとそれもそれで、すごすぎる気もする。お父さんも思い切ったな……。まさか交際もしてないのに、お母さんにいきなりプロポーズするなんて。なんか男らしい。
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