【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚
お母さんは保育園の時も、小学校の時も。どんな時も毎日欠かさず朝ごはんを作っていた。そしてお弁当も作ってくれた。
お母さんは毎日朝は忙しそうにしているけど、それはわたしたちのためだと知っているから、なおさら感謝している。
「やっぱりお母さんの作る卵焼き美味しい〜」
「今日は美鈴が作ったんでしょ?」
「でも、お母さんの作るほうがもっと美味しいよ」
お母さんの料理には敵わない。
「お父さん、今日も遅いの?」
「多分な。今日は会食と新店舗の拡大に関する打ち合わせもあるから」
朝ごはんを食べながら淡々と話すお父さんに、わたしは「そっか」とだけ答えた。 お父さんはいつも遅いから、あんまり話すこともないけど……。それでもまぁ、お父さんの体は心配だから。会食も多いし、食べてるのか分からない。
「美鈴、今日は高木原さんの息子さんと会うんだろ?」
「まぁ……。今日は映画観に行くだけだけど」
いつも高木原さんとデートの約束をするだけで、緊張してしまう。……まぁ、彼氏とのデートは楽しいものだと思っているけど。