【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚
「あ、美鈴!」
そんなわたしの気持ちなんて知らない高木原さんは、わたしに気付いたようで、ニコやかな笑顔を向けて手を振ってくれた。
「……すみません。遅くなってしまって」
「いや、俺が早く着きすぎてしまっだけだから。気にしないで?」
そう言われても、気になってしまうよ。だってさっきから、女の子たちがずっと高木原さんのことを見ているから。 隣にいるのがわたしみたいな女で、本当に申し訳ない……。
「さ、行こうか。美鈴」
「……はい」
そう言われて繋がられたその手は、大きくて温かい。気持ちのいい温もりだ。この手を握られると、本当に心までホッとする。
こんな気持ちになるなんて……。わたしは本当に、どうかしている。だってわたし、まだ高木原さんとは付き合い始めたばかりなのに。
「美鈴、今日の服も可愛いね。後メイクもいつもとちょっと違うね。可愛いよ」
「本当ですか?ありがとうございます」
着ている服を褒められるのは嬉しいし、メイクを変えたことにも気付いてくれたのも嬉しい。まさかメイクまで気付いてくれるとは、思ってなかったから。