【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚


 そんなことを言われたら、名前で呼ばない訳にはいかない。……頑張ってみよう。

「……あ、梓、さん」

「美鈴、ごめん。 もう一回呼んで?」

「ええっ!?」

 も、もう一回……!? む、ムリ!恥ずかしいって……!!

「いや、名前で呼ぶ時に顔が赤くなってる美鈴が、すごく可愛くてさ……。もう一回呼んでほしいなって思って?」

「……あ、梓!……さん」  

 自分の交際相手をこんなにも名前で呼ぶのが恥ずかしいなんて……。もう照れて仕方ない。穴があったら入りたいよぉ……。

「……ヤバッ」

「え? ええっ?」
 
 ヤバイって、なにがヤバイの!? わたし、なんか変なことしちゃった!?

「美鈴、可愛いすぎる。……美鈴のその顔、俺誰にも見せたくない」

 ーーードキッ。 そんなことを言われたら、わたしドキドキしてしまう。心臓の音がやたらうるさい。そしてもう、顔から火が出そうなほど熱い……。

「可愛いすぎる、美鈴。やっぱり、誰にも渡したくない」

 そう言われてさらに、顔が熱くなる。……こんなことを言われたのは、初めてだ。
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