【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚
「可愛いよ、美鈴は。とっても」
「……あ、ありがとうございます」
可愛いと言われるのがこんなに恥ずかしいことなのかと、今本当に思う。
「さ、行こうか。美鈴」
「……はいっ」
また手を握られて、わたしは映画館から出た。
「美鈴、寒くない?」
「大丈夫です。ありがとうございます」
こうやって気を遣ってくれる所も、優しいのが梓さんだ。
「美鈴、少し買い物でもしていく?」
「買い物……。そうですね。行きたいです」
「じゃああそこのショッピングモール、行ってみよっか」
「はい」
わたしたちは、近くのショッピングモールに立ち寄った。立ち寄ってみると、こういうショッピングモールも結構大きいんだなって思った。
わたしは小さい頃からずっとお父さんが経営する高級デパートに行っていたせいか、そのデパートに行き慣れていたから、こういうショッピングモールに来るのも久しぶりな気がした。
高級デパートもいいけど、ショッピングモールみたいなカジュアルな所の方が、わたしは好きかもしれない。変な緊張感がない。