【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚
「ねぇ、美鈴」
「はい?」
突然立ち止まった梓さんは、わたしを見ながらこう言った。
「美鈴に、プレゼントがしたいんだけど」
「え? プレゼント……?」
わたしに?プレゼントを……?
「美鈴、今何か欲しいものとかある?」
と聞かれて、ちょっと考えた。今欲しいものか……。でも何が欲しいかと言われると、分からない。
「そうですね……。強いて言うなら」
色々と考えた結果、欲しいと思ったのは。
「強いて言うなら?」
「新しいクッションカバーがほしいです」
「え? クッションカバー?」
そう言ったわたしを不思議そうに見る梓さんだった。
「はい。ちょうど新しいクッションカバーが欲しいなって、思っていた所だったので」
そうだ。新しいクッションカバーにして気分も変えよう。
「そっか。クッションカバーか……。じゃあ好きなデザインのクッションカバーを選んで。俺がプレゼントするよ」
梓さんはそう言って優しく微笑んだ。
「い、いえ。クッションカバーくらい自分で買えますから、大丈夫です」