【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚
「俺もクッションカバー、欲しいから。お揃いのものをプレゼントしたいんだ」
「……梓、さん」
そんなことを言われたら、わたしの心はますます騒がしくなる。ときめいたり、ドキドキしたり。いちいち困ってしまうよ……。
「美鈴、雑貨屋に行こうか。クッションカバー、見に行こう」
「は、はいっ」
だけど時々、こうやって強引になる所も、梓さんらしい。
その後、時間を許す限り雑貨屋を巡っては、クッションカバーを探した。そして最後に見たお店で、お気に入りのデザインを見つけたわたしは、梓さんにコレにすると伝えた。
「美鈴、お待たせ」
「い、いえ」
「美鈴、はい。これ、プレゼント」
「あ、ありがとうございます」
梓さんに渡されたその紙袋を見ると、そのままでいいのにきちんとラッピングまでされていた。
「え、ラッピングまで……。なんかすみません」
まさかラッピングまでしてくれるとは思わなかった。……梓さんって、本当にいい人だな。
「気にしないで。謝らなくていいよ。俺が美鈴のために、そうしたかっただけだから」