【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚
「そっか。じゃあまた連絡する」
「……はい。じゃあ、わたしはこれで……」
わたしは、家に帰るため体を反対方向に向けて、歩き出した。……その時だった。
「美鈴っ……!」
「……え?」
立ち止まって振り返った瞬間、彼のニオイがフワッと香ったのが分かった。
「あ、梓……さん?」
わたし今、梓さんに抱きしめられてる?
「美鈴、好きだよ」
「……え?」
梓さん、今なんて……?
「初めて会ったあの日から、美鈴のことがずっと好きだった」
梓さんにそう言われたわたしは、ただ瞬きを繰り返すしかなくて……。ただ分かるのは、胸がドキドキして、鼓動が早くなって、恥ずかしくなって……。顔が赤くなっているということだ。
「美鈴、俺は美鈴のこと幸せにする。……これからもずっと、美鈴のそばにいる。約束する」
「梓……さん」
そう言われて嬉しくなった。更にドキドキして、鼓動が早くなっている気もした。
「好きだよ、美鈴」
その言葉の後、わたしは梓さんとキスをした。その触れられた唇は、優しくて、温かい気がした。