【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚
好きの気持ち〜胸がキュッとなる〜
「……じゃあ、気を付けて帰って?美鈴」
「は、はいっ。じゃあ、失礼します!」
わたしは梓さんに背を向けて、少し早足で歩き出した。だけどすぐに立ち止まった。そして唇にそっと触れてみる。
「……どうしよう」
キス、してしまった……。その、流れもあったとはいえ、キスしてしまった……。まだ心臓がバクバクしている。ドキドキして、顔が赤い。
そんな気持ちになりながら家の玄関を開けると、すでに玄関の鍵は開いていた。どうやらお母さんは帰っていたようだった。
「ただいまぁ」
「あら、おかえりなさい」
「お母さん、帰ってたんだ」
「ええ。20分位前にね」
お母さんは朝干した洗濯物を部屋の中に取り込んでいた。
「どうだった?高木原さんとのデート」
「えっ!?」
いきなりそう聞かれたわたしは、ドキマギしてしまった。
「なに?どうしたの?」
「う、ううん!別にっ」
さっきキスしてしまったことを思い出して、急に恥ずかしくなった。まださっきの感触が残っている。
「そう? ま、楽しかったみたいね?」