【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚



 目を閉じると感じる、その唇の柔らかさと温もり。そしてフワッと香る梓さんの香り。

 この香りがわたしは大好きだ。そしていつも、その香りに癒やしをもらっている。

「これからも大切にする。美鈴のこと」

「……梓、さん」

 そうやって大切にしてくれるから、わたしは更に彼のことを好きになるのかもしれない。

「美鈴、これからも幸せにすると約束するよ。美鈴のこと」

「……はい」

 やっぱりわたしには、もうこの人しかいない。梓さん以外、あり得ない。 幸せになるなら絶対に、梓さんとだけ。

「梓さん、大好きです」

「美鈴……。俺も大好きだよ、美鈴のこと」

「はい」

 間違いなくわたしは、彼と出会うため、彼と恋に落ちるために生まれてきたのかもしれない。梓さんと出会って、こうやって幸せになるための一歩を今こうして、確実に歩んでいる。

 この道は間違いないなんかじゃない。そう思える日がいつか来るのかな? でもそう思えたら、わたしはきっと、今よりももっと幸せを掴めるかもしれない。……その日が来るまで、待ち続けよう。
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