【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚
そうやって言うってことは、お母さんはお父さんのことをよく理解している証拠だ。夫婦だからこそ分かるんだな、お互いのことを。
「美鈴のこともそうだし、秋哉のこともそう。お父さんはいつも、あなたたちのことを考えてるのよ。 いい父親でしょ?」
「……うん。そうだね」
「お父さんは、あなたのことを大好きだから。可愛い娘だからね」
お母さんのその言葉は妙に説得感があって、胸を打たれた。
「さ、美鈴。早く髪乾かしなさい。風邪引いちゃうわよ?」
「あ、うん」
部屋に戻ったわたしは、ドライヤーで髪の毛を乾かした後、スキンケアをしっかり行った。梓さんに会うんだから、スキンケアを怠れない。
やっぱり好きな人の前では、キレイでいたいと思うし、可愛く見られたい。そう思うのは、わたしが女だからだ。
「お父さん、お母さん。おやすみなさい」
「おやすみ、美鈴」
「おやすみ」
お父さんとお母さんに寝る前の挨拶をしてから、わたしはベッドにもぐって、部屋の電気を消した。そしてスマホのアラームをセットして、眠りについた。