【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚
「ねぇ、美鈴!」
「何?どうしたの?」
「悪いんだけど、お父さんの所にこれを持っててくれない?」
「え?何これ?」
次の日の朝、お母さんにそう言われたわたしは、お母さんから大きめの封筒の受け取った。
「お父さんが仕事で使う資料よ。忘れちゃったみたいなの」
お母さんからお父さんの所へ仕事の資料を届けるようにと頼まれたわたしは、「ええっ、なんでわたし? お母さんが行けばいいじゃん」と言った。
「お母さんは、これからおばあちゃんの所に行かなきゃ行けないから、行けないの。 ね?お願いよ、美鈴?」
「……はぁ。分かったよ。行けばいいんでしょ」
お母さんってば、時々人使い荒いんだから……。仕方ない。お父さんの所に資料届けに行くか。
「ありがとう。お願いね?美鈴。お母さん、もう出掛けるから。 あ、後、戸締まりもよろしくね?」
「はいはい。分かったよ」
わたしにそう言ったお母さんは、慌ただしい様子で家を出ていった。
そして服を着替えたわたしも、カバンとお母さんから預かった資料を持ち、家を出た。