【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚
「はい」
「あ、あの……。わたし、西園寺美鈴と申しますが……」
「どうぞ。中へ入ってください」
「あ、ありがとう、ございます」
すんなりと中へ入れてくれた男性は、スラッとしていて、瀬も高くて、少しパーマのかかったフワッとした髪の毛をしていた。更に言うと、カッコイイ枠に入る人。……この人が、高木原建設の御曹司?
そんなことを思うわたしに、彼は笑顔を向けてこう言った。
「高木原梓です。よろしくお願いします、西園寺さん」
「こ、こちらこそ……」
やはり間違いないみたいだ。この人は、高木原建設の御曹司、高木原梓さんだ。お母さんの言う通り、御曹司って感じはするけど……。でも、とても爽やかな人だ。見た目もいいし、好印象といってもおかしくはない。
「さ、どうぞこちらへ」
「……あ、はい」
案内されたその場所は、部屋の外にあるテラスだった。彼は「今日は良い天気だし、テラスでお話しましょう」と言ってくれた。
「改めまして、高木原梓と言います。よろしくお願いします」
「西園寺美鈴です。 こちらこそ、よろしくお願いします」