【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚


  
 わたしの決意は固かった。だからこそ、もっと梓さんの隣にいるのに相応しい人になりたい。そう思ったから、そのお願いをした。

「……分かった」

「話したくないことは話さなくてもいいです。だけど、話せることはなんでも話してほしいです」

 わたしは、あなたの妻になる人だから。妻になるために、一生懸命これから頑張っていかなきゃいけないから。

「……ああ、分かった。 ここじゃなんだから、公園にでも行こう」

「はい」

 梓さんとわたしは、近くの公園へ行くと、そこにあったベンチにふたり並んで座った。

「美鈴、流奈のことは、本当に申し訳ないと思ってる。……だからこそ、美鈴には辛い想いをさせたくない」

「分かってます。 わたしはあなたの、妻になる人ですから。だから、何があっても逃げたくないんです。……あなたに相応しい、妻になりたいんです。あなたのそばで、これからもずっと一緒に生きていきたいから」

 わたしがそう言うと、梓さんはわたしの手を握りしめて、優しく抱きしめてきた。そんな梓さんの背中に、わたしは腕を回した。
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