【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚
「……梓、さん?」
「愛してる、美鈴」
「……はい」
「愛してる」そう言われて嬉しくなった。心がキュッとなって、ドキドキした。
「俺にはもう、君だけだ。美鈴以外の人を愛することは出来ない。……だから、流奈のことも全部過去なんだ。 それを分かっていてほしい」
「……はい。覚悟は、出来てます」
そんなわたしを手を握りながら、梓さんは流奈さんのことを話してくれた。
「流奈とは、親父が主催したパーティーで初めて会ったんだ。いや、正確には紹介されたんだけど……。最初会った時はすごくいい子だなって思ってたんだ。 親父の知りたいの娘さんということもあって、親父に進められるまま流奈とふたりで会った。それで何回かデートした後、流奈との交際が始まった」
流奈さんとの出会いも、今のわたしたちと、同じような感じなんだ……。
「だけど俺との交際が始まってから、流奈は人が変わったように金遣いが荒くなった。俺のためだとかなんとか言って、高級なバッグや靴、服まで全部ブランド物で揃えるようになって……。気飾る自分を見てほしいと言わんばかりの変わりっぷりだったよ」