【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚
確かに、さっきの流奈さんが着てた服も明らかに高そうなブランド物ばかりだった。そう言われれば、着飾っている。
「俺は着飾る女性よりも、ありのまま、素直な自分を受け止めてくれる人がいいなって思ってた。あの時からずっと」
そしてわたしの手を握りしめたまま、こう言葉を続けた。
「そんな人にようやく出会えた。 美鈴、君にね?」
「……え?」
「君のお父さんと親父がたまたま仕事でご一緒した時、君のお父さんが親父たちにうちの娘はとにかく可愛いと言っていたんだ」
「ええっ……」
お父さん……。そんなことみんなに言ってたの? やめてよ、恥ずかしい……。
「実はそこに俺もいてさ。それで写真を見せてもらったんだ。美鈴の」
「え? そ、そうだったんですか?」
それは知らなかったな……。今初めて知った。
「だけど当時、まだ君は大学生で……。大学に行ってると知って、卒業まで待とうと思ったよ。そのくらい、写真を見た時から会ってみたいなって思ってた」
「……梓さん」
「その時はもう流奈と付き合ってけど……。別れようと思ってたしね」