【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚


 梓さんとわたしは、リビングで座って待つことにした。

「……梓さん、大丈夫ですか?」

 どうやら梓さんは、緊張しているようだった。

「ああ。ちょっと、緊張してる……」

「大丈夫ですよ。お母さんは、梓さんとの交際を見守ってくれていますから」

「そうかな? ならいいんだけど……」

 そういえば、梓さんのこんな不安そうな表情、初めて見た気がする……。

「お待たせ、ふたりとも。美味しい紅茶入ったよ。 美味しいお菓子も用意したから、みんなで食べましょ?」

「ありがとう、お母さん」

 お母さんは、大きなガラスのテーブルに淹れたばかりの紅茶とシフォンケーキ、そしてクッキーを目の前に置いた。

「ありがとうございます、お母さん」

「さ、どうぞ。温かいうちに飲んで?」

「……じゃあ、いただきます」

 梓さんは少し遠慮がちに淹れたての紅茶を飲み始めた。そして「美味しいです」と答えた。

「そう?良かったわぁ。この日のためにお取り寄せしたのよ〜」

 お母さんは嬉しいのか、上機嫌でそう答えた。

「そうなの?」

 そこまでする必要、あった?
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