【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚



「あ、あの……。お母さん、西園寺社長……」

「「はい」」

 紅茶を一口口にしてから、梓さんは緊張した表情でそっと口を開いた。  

「……あの、僕は美鈴さんと、正式に結婚したいと思っています。 どうか、僕たちの結婚を認めていただけないでしょうか?」

 その声は緊張しながらも、とても力強かった。

「もちろんよ。美鈴のこと、よろしくね?」

「梓くんなら、美鈴のことを幸せに出来ると信じているよ。 美鈴のことを、末永くよろしくな?」

「はい。必ず幸せにします。 約束します」

 お父さんもお母さんも、わたしたちの結婚をすんなりと認めてくれた。お母さんもお父さんも、ようやくこの日が来たんだなと、嬉しそうだった。

「ありがとうございます。 必ず、美鈴さんを幸せにします」

「よろしく頼むわね?美鈴のこと」

「はい」

 梓さんの固かった表情は和らいでいて、いつの間にか笑顔が見えていた。

「今度とも、公私共によろしく頼むよ?」

「はい」 

 こうして無事に結婚の挨拶を済ませたわたしたちは、次の日の午前中、婚姻届を提出した。
< 86 / 112 >

この作品をシェア

pagetop