【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚
姉さん女房だもんね、清乃(きよの)さんは。だからお兄ちゃんにもちょっと厳しくする時もあるけど、なんだかんだふたりも仲がいい。
まぁお兄ちゃんには、清乃(きよの)さんくらいの女性がちょうどいいのかもしれないな。お兄ちゃん結構、ああ見えてだらしなくて適当な所があるから。 きっとそこは、お父さんに似ちゃったんだろうな……。可哀想に。
「なに? 秋哉(しゅうや)、アンタわたしじゃ不満だって言うの?」
「違う!違うからっ! 信じてくれって!」
そんなことを思っているうちに、電話の向こうでは相変わらずの痴話喧嘩が幕を開けていた。
「俺が愛してるのは清乃(きよの)だけだから!信じてくれよ!」
「はいはい。ごちそうさま。 じゃあわたし切るからね」
「おい!みれっ……」
わたしは声を遮るように電話を切った。 電話越しでも分かるのは、お兄ちゃんも幸せそうってことだ。
でもまぁ、みんなが幸せならいっか……。わたしも今とても幸せだし、お兄ちゃんだって清乃(きよの)さんと幸せそうだし。 お父さんだって未だに、お母さんのことを愛しているみたいだし。