fish
中学校は、小学校から持ち上がりだった。
みんなすこしずつ大人になるから、
さすがに罵声を浴びせられたり
暴力を振るわれることはなくなった。
でもやっぱり、
わたしがなにかしようとすると
人ははけていって、
わたしはいつもひとり。
だれも話しかけようとしない
寄り付こうとしない
ジロジロ見られ、ヒソヒソ噂され。
どうせどこも変わらないと、
近くの高校を選べば、
案の定、ほとんど持ち上がり。
「九条さん、これやっといてねー!」
うちら予定あるから!
小学校から同じの同級生。
高校生になってみんな化粧をし始めたから
もう、誰が誰だかわからない。
…まぁ、わたしも身だしなみとして
一応軽くしてるから人の事は言えないけど、。
『…はい、』
いつもの事だ、こんなの。
なんなら、、、
係でも日直でもなんでもないのに
毎日毎日わたしがひとりで掃除をしてて。
ほかの人たちがしてるとこ、見た事ないもの。
こんなの言うの、不謹慎だし
ほんとに、最低なんだけどね、
ハーフじゃなきゃ、
「ママが、韓国人じゃなきゃよかったのに」
ちいさな声で、久しぶりに口に出してみれば、
ほんとに、ほんの少しだけ。
あしたからも大丈夫、
自分は大丈夫って思えるの。
「あれっそーじ?」
それは、
誰かの声に、惑わされる前のこと。