幼なじみだけどそうじゃない・・・!!
「やっぱ糸瀬さん可愛いよな」
「俺も姫野さんみたいに抱きつかてぇー」
「小動物みたいだよな」
「それな?守ってあげたい」
ふと視界に入っていたクラスの男子の会話が耳に入った。
一華のファンクラブの奴らだ。
その気持ちはよく分かる。とても分かる。
分かるが自分以外がそういう目で一華を見ていると思うと不快だ。
「こーら千景。さっきまで浮かれてたのに何睨んでんの?」
無意識にクラスメイトを睨んでいたことを澤和哉(さわかずや)に指摘された。
中学からサッカーのクラブチームで絡むようになり、高校で同じになった奴。
で、特に相談した覚えはないが、一華への気持ちは秒でバレた。
そして全部洗いざらい話すはめになった。
時々俺も気づかないことを指摘してくるのが厄介。
「別に」
「あ、糸瀬ちゃんのファンか」
「一華が男に抱きつくわけねぇのに何言ってんだろーな」