幼なじみだけどそうじゃない・・・!!
フゥと満足気に息を漏らすと、和哉は呆れたように笑った。


「お前ほんっと分かりやすいなー」
「人のこと言えねーだろ。毛利が好きって一華にバレてたぞ」
「うっそマジ!?何で!?」


驚きとか恥ずかしさでごちゃごちゃになった和哉は勢いよく俺に詰め寄ってきた。

そして例のごとく首をカクカクさせられる。


「肩掴んで揺らすな。一華が見えにくい」
「あ、悪い」


この後俺から話を聞くために大人しくしていようと決めた和哉は横で縮こまった。

ここで終わりを告げる空砲が響く。

もう終わって残念だったが、十分頑張る一華に癒された。

動画撮っとけば良かった・・・。

いや、引かれるから撮らなくて正解か。

最後の種目である選抜リレーを一華は見ると言っていた。

毛利のついでだろうがこの際どうでもいい。

一華が応援してくれる。

ダサいところは絶対見せないようにと気合いを入れ直した。
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