幼なじみだけどそうじゃない・・・!!
(あー・・・やばい。一華可愛かった。やばい)


座席に身体を預け、語彙力が消失するくらいに俺は浮かれていた。

だってまさか一華が俺に誕生日プレゼントをくれるだなんて思ってもみなかったから。

そもそもちゃんと覚えててくれてたんだな。

これは脈アリでいいだろうか。

ああいや、浮かれすぎて思考回路がだいぶハッピーになっている。

落ち着け、落ち着け・・・・・。

深呼吸をしても心臓の脈立つスピードは衰えなかった。

一応普段から走り回っているのでそう簡単に心拍数が上がらないようになっていたが、一華を前にそれらは無力と化した。

それ程までに一華の破壊力が強すぎた。

耳まで真っ赤にしながら震えた小さい手で好きな人がプレゼントを渡してきたら誰だってこうなるだろう。

和哉が電車に乗ってくる前に中身を確認しようと、丁寧に包装を剥がした。


「!」


包みから現れたのは暗めの紺色のスポーツタオル。ヘムのところが赤と黒のチェックになっており、一華のセンスの良さが感じられる。

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