幼なじみだけどそうじゃない・・・!!
一華の腕を掴んた松井が詰め寄っている。


「一華・・・と松井?」


動揺からか、心の中でそう呟いたつもりが、どうやら無意識のうちに口に出していたらしい。

一華か俺の方を振り返った。

その顔は怯えきっていて、微かに震えている。今すぐにも泣き出しそうだ。


「ちーくん・・・!」
「え、真島・・・?何で」


対して松井は酷く困惑していた。

そんなことよりも1番の問題は松井が一華の腕を掴んでいるということだ。

ちゃっかり掴んでおきながら一華が怯えていることにも気づかないのか。

いや、気づいていても尚詰め寄っていたのか。

この際どちらでも構わないが、ズカズカと進んで松井の手を一華の腕から離した。

一華が痛くないように細心の注意を払って。

少し触れただけでも分かるくらい一華は震えていた。

怖かったよな。
ごめんな。
俺が人目を気にせずに一緒に残っていればこんなことにはならなかっただろうに。

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