幼なじみだけどそうじゃない・・・!!
そんな言ったところでどうしようもない懺悔をしながら二人の間に割り込んだ。


「一華、平気か?」


顔を覗き込みながらそう尋ねると、一華はさっきまでの怯えた表情ではなく、安心したような表情を見せてくれた。

そして俺に頼るように服の裾をギュっと握りこくんと頷いた。

その様子が不意に幼少期と重なって見えて余計守らなければならないと思った。

松井と正面から向き合う。


「松井。一華が男子苦手って知らないわけじゃないだろ?」


自分が思っていたよりも低音が響いて驚いた。

松井の顔が青ざめて、逃れるように俺から視線をズラした。


「知ってるけどガセかなって思って確かめよーと・・・」
「言い寄っているようにしか見えなかったが?」
「ほら、今も真島と距離近いし、案外大丈夫なのかと」
「どう見ても大丈夫そうじゃなかっただろ。何でそのまま押しきった」


罰が悪そうだったが構わず詰めていく。

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