幼なじみだけどそうじゃない・・・!!
「じゃあおれんちこっちだから、じゃーな」


手を振りながら去っていく背中を見て、思わず呼び止める。

まだ言いたいことを言えていなかったから。


「あ・・・まって!ちーくん」
「ん?」


振り返ったちーくんの顔は、私に呼び止められると思っていなかったのかキョトンとしていた。


「助けてくれて、ありがとう。ちーくんはヒーローみたいだね!」


感謝の気持ちを伝えながら自然と笑顔になった。

辛くて仕方がなかった時に助けてくれたちーくんは、本当にヒーローに見えたのだ。

ほとんど話したこともないのに、最後までちーくんは優しかった。

とてもかっこいいヒーローだ。


「そーだよ。ヒーローだからいっちゃんのこと守るよ」


照れくさそうに腰に手を当てながら、ぶっきらぼうにそう言った。




その日以来男子が関わってくることがなくなった。

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